会計科目よりも税法科目が難しいと言われる理由
税理士試験は簿記論財務諸表論の会計科目よりも法人税法等の税法科目の方が難しいと言われていますが、なぜそのように言われているのかについて説明します。
Contents
税理士試験の性格
税理士試験は相対評価試験
税理士試験は試験案内をみると60点以上とれば合格というように書いていますが、実際は合格率が10%くらいになるように得点調整されています。これは公表されていることではないですが、過去の合格率を見たらわかると思いますし、実際に試験委員の中にも税理士試験において得点調整があるということを話している人もいます。
相対評価試験であるということは、税理士試験で何点とるのかではなくて、上位10%以内に入ることが合格のポイントになります。
税理士試験受験生の多くは簿記論と財務諸表論から受験している。
次の理由から税理士試験初学者の多くが会計科目から受験しています。
- 日商簿記2級に合格した人は簿記論と財務諸表論を始めやすい。
- 各受験予備校で税理士試験を初めて勉強する人には簿記論と財務諸表論を勧めている。
これらのことから税理士試験を初めて勉強する人の多くが簿記論と財務諸表論から勉強を始めており、科目あたりに占める税理士試験初学者の割合で一番多いのが簿記論と財務諸表論です。
このサイトの税理士試験アンケートでも一番多いのが簿記論と財務諸表論です。
会計科目(簿記論と財務諸表論)の方が合格しやすいと言われる理由
会計科目の方が少しだけ合格率が高い。
税理士試験の過去の合格率を見ると税法科目が10%前後で推移しているのに対して、会計科目は15%前後になっています(税理士試験の合格率推移)。
初学者が多い科目ほど合格しやすい!
合格率よりも大切なのがこちらで、先にも書いたように税理士試験は相対評価試験で、上位10%に入れば合格できる試験です。
では、例えば大人の貴方が次の試験でどちらの方が上位10%以内に入りやすいですか?
- 小学生1年生の算数のテスト
- 東京大学受験生向けの模擬試験
絶対にAですよね。
税理士試験はこれと同じことが言えます。簿記論や財務諸表論は初めて税理士試験を勉強する人が多く含まれているのに対して、法人税法等の税法科目は簿財合格者が多く含まれています。そうなると、どちらの受験生のレベルが高いのかわかると思います。当然、税法科目です。
簿記論と財務諸表論には「簿記2級に合格したし、試しに税理士試験でもチャレンジしてみよっかなぁ。」という軽い気持ちの受験生が一定数含まれています。そういう人が沢山いるというわけではないですが、税法科目に比べると多いので、会計科目の方が合格しやすいと言われています。